ストーリーと数字でみる2014年「歴史モノ」市場のトレンド
     

国内市場と海外市場

前節では100万人を超えるような大作シリーズを取り上げました。
それでは、今後も継続的な成長が期待されている世界のゲーム市場の中で、これらのシリーズはどう位置づけられるでしょう?

その前に、世界のゲーム市場における日本製ゲームの状況についてみてみましょう。

80年代に日本で起こった「ファミコン」ブームは、海外でも同時に進行していました。家庭用ゲーム機の元祖はノーラン・ブッシュネルが設立したアタリ社によるものですが、80年代に入り米国産のゲームタイトルが販売不振となり、代わってNESという名称で米国でも発売されたファミコンが支持を得ます。80年代後半には、アタリ(正確にはその子会社テンゲン)との訴訟が話題になったのをご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。

今日でも80年代の「パックマン」(ナムコ)や「スーパーマリオブラザーズ」、「メトロイド」(任天堂)といったタイトルは世界中で愛されています。

しかし近年では世界市場における日本製ゲームのシェアは減退しています。
しばしば指摘される要因としては、一つには表現力が増すにつれて消費者の嗜好の違いが明確になっていったこと、もうひとつは製作の大規模化に伴いゲームは映画のように世界中のスタジオに細分化して製作されていますが、このような大規模製作の手法が確立されていないことなどがあげられます。

この様な中で、とりわけ日本史をテーマにした「信長の野望」や「無双」シリーズは、国内での販売が占める割合が高くなっています。メーカー側も海外での販売を視野に入れた展開を試みており、これらのタイトルのシステムを使いつつ、題材を海外で人気のあるテーマにアレンジしたタイトルもあります。
北欧の神話世界を舞台にした箱庭シミュレーションゲーム「ケルトの聖戦」(1995)や、「イリアス」の世界を舞台にした「TROY無双」(2011)といったタイトルがそれです。しかし現在までこれらは大きな成功には至っておらず、TROY無双の売り上げはPS3とXbox 360、合わせて全世界で20万本に留まっています。
(数字はwww.vgchartz.comより。)